皆様、こんばんは。某大手住宅メーカーにて、20年以上現役で住宅営業マンをしております、「くーるばなーな」と申します。
さて、今回は住宅に関するお金の話③「リバースモーゲージって何?」をお送りいたします。
昨今、住まいは賃貸派か、持家派か、の論争がネット上でも絶えません。その論争に終止符をうつかもしれないのがこの「リバースモーゲージ」かもしれません。
リバースモーゲージとは、読んで字のごとく「リバース」=「逆」という意味と、「モーゲージ」=「抵当融資」もっと嚙み砕いた言い方をすれば、「住宅ローン」です。つまり、直訳すると「逆住宅ローン」ということになります。
逆住宅ローンとは、どのような事でしょうか。まずは、住宅ローンとは、土地と建物を抵当にいれて、つまり担保として、お金を借りて金利も含めて支払っていく。そんなイメージでしょうか。その逆ですので、「完全所有権の土地と建物を担保に、年金形式でお金を毎月もらう」といった内容が正解です。つまり、自分自身の土地と建物が、年金代わりになり将来の自分自身を助けてくれるといった内容の物です。
そのような事例を日本でない、海外にて証明してくれている事例があります。「イギリス」です。イギリス人は老後、ほとんど貯金、金融資産をもっていないといわれています。日本では考えられないですね。つい最近では、老後2000万円が不足するという金融庁の発表が炎上するという、いわゆる「2000万問題」にて、多くの日本人が老後の不安が高まりました。あの2000万問題は、また別の意図があったと言われていますが、筋道をそれるのでその話はまた改めて。。
話をイギリスに戻しましょう。イギリス人は、日本の2000万問題どころか、老後500万程度しか持っていない人が多いそうです。しかも、不安なく楽しく老後を過ごしている。日本では、2000万持っていても不安で、イギリスでは500万で不安なく過ごせている。この違いはなんなのでしょうか?社会保険の違いでしょうか?社会保障は日本もイギリスも大きくは変わりません。
一つ、圧倒的に違うのは、「住宅事情」です。イギリスだけでなく、海外と日本の住宅事情は大きく違うといわれています。平均建替期間をもってその住宅の耐久性、何年もつのか、を推し量ることがありますが、日本は平均すると28年と言われています。アメリアで50年前後、ヨーロッパにおいては、70年~80年と言われています。
それだけの年数の違いは、新築住宅と中古住宅の取引バランスにも表れていて、日本は9割新築、1割中古に対して、ヨーロッパは9割中古、1割新築だそうです。しかも年数が経った建物ほど価値が上がるケースも多いようですね。
つまり、イギリスにおいては、貯金がなくても、住宅さえ所有していれば、売却して高値で売れたお金で郊外に住む、小さな家に住み替える、生活をダウンサイジングするんなど、家さえあれば何とかなるとの社会が出来上がっています。一方、日本では何でも現金。現金があれば一安心。ですが、築年数が経った家を直すのにも現金が必要ですし、収入の途絶えたリタイア世代にとっては、現金がいくらあっても不安が消えないという悩みが付きまといます。
この日本にもかつて、福田首相(2007年の一年間と在任期間は短かったですが)が、200年住宅ビジョン、日本中の家が200年持てば世界で一番金持ちになるのは日本であるという、計画を提言しました。
これは、我々、住宅メーカーは非常に共感し、賛同したのを覚えています。非常に理に叶っている。この時、自分自身の仕事に存在意義と大きな使命感をいだきました。
このように、リバースモーゲージとは、日本の住宅の喫緊の課題である、新築依存性の住宅事情と兎に角、新しいければ中身はそこまで拘らないという新築至上主義のようなところ、または日本の中古住宅の安全性やメンテナンスの履歴など、今まで誰も管理していなかったところに注視して、今後改善していける制度の一つになるのではないかと、住宅に携わる人たちは考えています。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。次回は住宅に関するお金の話③つづき、具体的にどんな場合にリバースモーゲージは使えるの?をおおくりします。よろしくお願いします。
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