住宅に関するお金の話②続き

 皆さん、こんにちは。20年以上、某大手住宅メーカーにて、現役で住宅営業マンをしております、「くーるばなーな」と申します。

 今回は、住宅に関するお金の話②続き、「オプション費用と諸費用について」をお送りいたします。この項目に詳しくなれば、住宅の「総額」がグッと理解しやすくなります。

 住宅メーカーによって、オプション項目になっている費用をオプション費用と言いますが、どこまでが標準で、どこからがオプション工事なのかを確認する必要があります。大きな項目だと、「太陽光発電」など大きな設備項目については、オプションであることが多く、外壁の仕様などもオプション扱いの場合が多いです。展示場を見学して、すごく気に入ったとしても、その内容のほとんどはオプション工事で構成されているとしたら、注意が必要です。

 また、設備グレードにも、オプション項目は多数含まれます。「キッチン」「お風呂」「洗面」「トイレ」など住宅展示場に展示されている設備のほとんどは、オプションです。設備グレートが上位グレードであることもさることながら、ほとんどが化粧されていることが多いのです。住宅展示場の洗面やトイレの壁には、お洒落なタイルが貼っていませんか?キッチンスペースの天井部分には、ピーリングと呼ばれる合板が貼ってあって、間接照明などが仕込まれていませんか?勿論、見栄え見た目を重視してそのようにしてあるのですが、その仕様をまるっきり再現することで「オプション費用」がかかるということを理解する必要があると思います。

 その中でも、「展示場の仕様がそのままお客様が建てる家です。」と説明している住宅メーカーもあります。手法としては、非常にわかりやすく、且つ展示場を見て気に入れば、そのまま迷うことなく、設備仕様、内装仕様が決まるのでわかりやすいです。ただ、大手設備メーカー(PanasonicやLIXILなど)の設備をセレクト出来ないケースもあり、選択肢の幅を是非ともご確認ください。

 次に「諸費用」ですが、大きく分けて、「登記の費用」と「住宅ローンの費用」、その他に分かれます。「諸費用」については、建築請負工事費用に含まれず、手続き代行の費用とも言えるでしょうか。住宅メーカーがお客様の手続きを代行するようなイメージです。

 ①登記の費用には、「表示保存登記」「所有権移転登記」「滅失登記」「名義人変更登記」などがあります。「表示保存」は、建物の所有権が誰のものであるかの登記で、建物の大きさにもよりますが、15万円前後くらい。「所有権移転」は土地の所有権を移転させる登記で、土地の路線価より算出します。つまり、土地の値段や取引価格によって変わります。2000万前後の土地で、30万前後くらいでしょうか。正確には司法書士に計算してもらい、見積してもらいます。「滅失」は建物を解体する際の登記で、「名義人変更」は土地を購入前の住所から今回の建築地に移転する際の登記です。それぞれ3万円前後くらいの費用がかかります。

 ②住宅ローンの費用については、様々ですが、一番大きな費用と思われるのは「保証料」で現金で支払うこともできますし、金利に含めることもできます。3000万の住宅ローンで、現金にて一括支払いなら約80万円前後くらい、金利に含めると0.2%金利が上昇します。計算していただくとわかるのですが、金利0.2%が35年続くと考えると、現金で払ってしまった方がお得になります。しかも、諸費用も住宅ローンの借り入れに含める事が出来るので、結局は現金で「保証料」を払っても、持ち出しの現金ではなく、住宅ローンから支払うということになります。意外に皆様が忘れがちなのが、繰り上げ返済などで、早期に住宅ローンを完済した場合、この保証料の一部が返ってきますので、覚えておいて損はないと思います。

 あとは、住宅ローンに付随する費用として、「火災保険料」があります。住宅ローンを借入する場合、火災保険には必ず入っていただく必要がありますので、勿論、内容も吟味したものにしましょう。火災保険を決めるのは、住宅の打ち合わせにおいて、最後の最後になることが多く、皆さん適当に決めてしまう傾向にありますが、今後何十年とお住まいする事を考えると、重要な要素の一つとなります。「火災」「洪水」「大雨」「台風」「水害」など様々な災害リスクから身を守ってくれる保険ですが、意外に知られていないのは、「汚破損」といって、建具やクロスなど故意でなく事故で破損してしまった部分に保険が適用されたり、「電気的事故特約」といって電化製品「太陽光発電」「給湯器」「パワーコンディショナー」などメカが破損した場合の修理費がでる、保険の特約も存在するということです。住宅も耐久消費財です。保険も上手に使いながら、メンテナンスや修理の費用を賢く賄う事を、強くお勧めします。

 最後に「印紙代」「引っ越し費用」「仮住まい費用」「固定資産税の清算金」などでしょうか。これらの費用はそもそも、明確に当初から諸費用計上されていること自体が少ない費用です。「引越、仮住まい」に関してはシーズンによって値段が変動するため、非常に見積が難しい点。「印紙代」は建物請負契約、土地売買契約の印紙代は簡単にわかるし、計上できますが、今後「追加変更契約」をどれくらいの金額で何回するのかわからなかったり、住宅ローンの「金銭消費貸借契約」の印紙代はそもそも住宅ローンの費用に入れてあることが多いです。「固定資産税」は土地を購入し、いつ頃決済をするのかによっても変わりますが、ある程度どれくらいのものかは聞いておくと良いと思います。

 最後まで、読んでいただきありがとうございました。次回は住宅に関するお金の話③「リバースモーゲージって何?」をお送りいたします。

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