皆さん、こんにちは。某大手住宅メーカーにて、20年以上現役で住宅営業マンをしております、「くーるばなーな」と申します。まだまだ暑い日が続きますが、皆様いかがおすごしでしょうか?
さて、今回は「ZEH(ゼロエネルギーハウス)ってなんですか?」をお送りいたします。
皆様、「ZEH」(ゼッチと読みます)ってご存じでしょうか?住宅を検討いただいている方なら聞いたことがあるかも知れませんね。ゼロ、エネルギー、ハウスの略称で、再生可能エネルギー(太陽光など)を導入し、建物の気密断熱性能を高めて、年間のエネルギー収支をゼロにしようと取り組んだ住宅の事です。基準値を達成して建てられた住宅は国から補助金が受けられる事となっています。
そもそもですがこの制度がいつから始まったのか、ご存じでしょうか?
実は2009年にZEH事業は始まっております。
では、2009年になにがあったのか?皆さんは覚えておられますか?そうです。あの「東日本大震災」です。未曾有の大震災により、大規模な被害が生まれました。また津波による原子力発電所の事故によって、日本中の原子力発電所が止まった日でもあります。
そうする事によって、もともとエネルギーの自給率の低い日本では、せめて住宅だけは、「エネルギーを自給自足する家」、「エネルギー収支がゼロの家」にしようと決めました。10年後の2019年までには、新築されるすべての住宅がZEH仕様の家にしようとしたのです。
そして、補助金を出すことによって、国がそのような省エネの家を建てる事を推奨している姿勢を明確にしたのです。そうする事で、日本のエネルギー自給率を改善することと、地球温暖化問題の解消、脱炭素社会を目指したのです。
ただ、どこの住宅メーカーも工務店も、キャンペーンの一環のように、補助金の金額を打ち出して「安いよ、安いよ、お得だよ」のように、内容をはっきりと打ち出さないような姿勢の会社が多いのも事実です。
実際に、販売側からすれば非常に使い勝手が悪い補助金で、書類は大量ですし、申請の期限が細かく決められていて、ゆっくりプランを決められない、急かされて打合せをした上に、申請すると一切のプラン変更が不可という、大変お客さま想いではない制度ではあります。
また、2019年にはZEH+Rという制度も新設されています。この「+R」とは「レジリエンス」の事で、日本語では「防災力」というものです。つまり、災害時にエネルギーを自給自足できる「蓄電池」を住宅に装備する事によって、ゼロエネルギーで尚且つ災害にも強い家を、国が推奨しているということとなっています。
大事な事は、大きな社会問題「地球温暖化」「脱炭素社会」など、住宅を購入される方々には、身近な問題ではないかもしれません。ただ、国として「断熱気密の高い家」「太陽光と蓄電池のある家」を、前述の問題解決のために推奨しているならば、今後そのような住宅を選ぶ事が「お得」になるように制度設計されていると理解していただいても良いのではないでしょうか?
今後の住宅選び、住宅のご検討に少しでもお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。次回は「営業担当者との交渉裏技について」をお送りいたします。
コメント