こんにちは。20年以上、某大手住宅メーカーにて、現役で住宅営業マンをしております、「くーるばなーな」と申します。
今回は、「良い家の条件」シリーズ最終回、「安心、安全、快適」の「快適」についてお送りいたします。
古来、日本の住宅は、徒然草にもありますように、「家のつくりやうは、夏をむねとすべし。」とあります。つまり、家の作り方は、夏を主とするのがよい、とされてきました。
冬は「暖を取る」「採暖」などといわれ、寒ければ暖を囲めばよいとされてましたが、夏の暑いのだけはどうしようもない。夏に涼しくなるように、風の通り道を考えたり、あえて隙間があるほうが良い、基礎にしても束石があるのみで、風の通りは良かったですし、昔の日本家屋は非常に風の通りの良いお家でした。それは、夏の事を考えての事であったと思われます。
今、私たちが暮らす現代の夏は、風が通れば涼しいというものではありません。あっちこっちで室外機が回り、真夏などは窓を開ければ、逆に暑いくらいです。かといって、冬が温かいかといえば、冬も寒くて暖房器具は必ず使いますよね。
日本が亜熱帯化しているとも言われておりますが、四季のある日本ですが、近年は非常にタフな気候条件にさらせれているとも言えるでしょう。
そんな中、「断熱」「気密」などの考え方が全くなかった日本の住宅に「断熱性の良い家」「気密性の良い家」が快適であるという考え方が入ってきました。まだまだ日本中の住宅の約4割近くは「無断熱」と言われていますから、最近徐々に浸透してきているとは感じています。
どこのメーカーや工務店も「高断熱高気密」を謳っており、数字を出しているメーカーさんも多いですが、それこそどれを選べば良いのでしょうか?
一番数字が良いメーカーが良いのでしょうか?それとも、わが社は高気密高断熱、省エネの家ですよという、営業担当者の言葉を信じる??
ずばり、「断熱」も「気密」も施工体制によるのです。
断熱を左右する、断熱材ですが、発砲系といわれるポリエチレンフォーム(発泡スチロールみたいなもの)や、ガラスの繊維でできたグラスウール(ふわふわの綿みたいなもの)など様々な素材がありますが、壁の中に丁寧に隙間なく、むっちりと詰めていかないと、後々の断熱性に影響します。
気密性とは、隙間です。住宅において隙間が発生する箇所はたくさんあり、壁と床の張り合わせ、コンセントプレートの裏、エアコンの配管回りなどなど、それらの隙間を丁寧に塞いでいかないと高気密な住宅はできません。特に気密性は目に見えないので、一部の住宅メーカーが行っている、「家が完成してから」の気密測定をしないと本当の所、わかりません。
以上のように、こんな数値だと説明されても、実際は施工して家を建ててみないとわからないという部分が非常に大きいです。だから、どこのメーカーや工務店でも高気密高断熱をアピールし、設計上や理論上はその数値になるということをアピールしているのです。
もし、説明を求めるなら、施工体制はどうなっていますか?気密施工はどうしていますか?工事中、雨が降ったらどうなりますか?完成してから気密測定はしてもらえますか?それは有料ですか?無料ですか?などの質問が出来て、それらの質問に真摯に答えてくれるメーカーであれば、そのメーカーは「高気密高断熱」の家なのでしょう。反対に答えに矛盾を感じれば、そうでない住宅なのかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。次回は「理想の間取りを考えてみよう①」をお送りいたします。もし、ご質問やご感想などありましたら、誠意をもってご回答させていただきます。よろしくお願いいたします。
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