皆様、こんばんは。20年以上、某大手住宅メーカーにて、現役で住宅営業マンをしております、「くーるばなーな」と申します。
今回は、良い家の条件とは??②ということで、「安心、安全、快適」の『安全』の部分についてお送りしたいと思います。
安全な家って、どんな家でしょうか?安全な家といっても、その意味は多岐に渡ります。災害に強い家?防犯性能に優れた家?停電がおこっても電気が使える家?などなど。それぞれの分野において、それぞれに掘り下げてお話できる内容ですね。今回は安全な家の中でも、災害に強い家、その中でも「耐震」「耐風」「耐久性」などありますが、その中でも『耐震性能』について、特化してお話したいと思います。
皆さんがお住まいのこの日本は言わずとしれた、地震大国です。体に感じないような地震も含めると、一年間で約2000回も地震がおこっているといわれています。特に近年、地震に対しての意識は高いように思います。昨年に内閣府が出している、東南海地震が30年以内に発生する確率も70%から修正され、70~80%となりました。
最近の小学生は、「防災」訓練といわないそうです。「減災」訓練というそうです。もう、災いを防ぐことは無理だ。災いを減らすことに注力してください。自助努力してください。という政府のメッセージなのかもしれませんね。
また、昨今のコロナの状況において、避難所の状況も一変しました。「37度以上は入れない」「入場制限がある」の二点です。避難したくても、避難所を転々とした方もいらっしゃるというのは、ここ最近の避難所では当たり前なのでしょうか?
最近、よく住宅業界で聞く言葉は「在宅避難」です。つまり、避難の必要のない建物を建てる事によって、万が一、災害が起こっても、家にいることが安全ですよという考え方です。
話を『耐震性能』に戻しましょう。皆様が、住宅の営業担当者に、「この家は地震に強いですか?」と質問した時に、「いやあ、うちは弱いですね。」って答える営業担当者はいるでしょうか。まず存在しないでしょうね。「うちは丈夫で、頑丈で、地震に対しては強いですよ。」と答える担当者がほとんどだと思います。
それでは、どうやって比べればよいのでしょうか?その基準をお話いたします。
そもそも、日本の耐震性能、いわゆる性能評価制度における、耐震等級(1~3まであるのですが)にて、その建物を評価することが如何にザルなのかということをお話します。耐震等級1で、建築基準法なみ。耐震等級2で建築基準法の1.25倍。耐震等級3で建築基準法の1.5倍です。
建築基準法とは、生命を守るということを主眼においています。建築基準法なみとは、小難しい言い方をすると2次設計基準400ガルに耐えられる、つまり100年に一度あるかないかの地震において倒壊しないこととしています。(建物が住めなくなっても倒壊しなければオッケーです。)ちなみにあの阪神大震災は880ガルの加速度でした。
ようするに耐震等級を守ったとて、最高等級を満たしたとて、本当の安全を満たしているかは、疑問です。
なぜなら2016年4月に起こった熊本地震がそのことを証明しています。
あの地震は本当に類を見ない、極めて珍しい地震だったのです。それは、震度7の地震があれほどまで短期に2回発生しています。一回目は4月14日21時26分、二回目は2日後の4月16日1時25分に発生しています。建築基準法にて、100年に一度あるかないかと想定されている地震が2日間にて起こった地震だったのです。
1度目の地震にて、倒壊しなかった建物が、2度目の地震にて倒壊が起こっています。もっと言うと新耐震基準(昭和56年以降~)の基準で建てられた建物でも倒壊が起こっているという事実です。
調べていくと、そのほとんどは「接合部の破断」によるものだそうです。接合部とは、柱と梁を接合している部分、または、斜めの材にて張力で引っ張って接合部を補強している部分が、破断してしまうことにより、2度目の地震に耐えることが出来なかったといわれています。
もし、比較検討するならば、接合部がどのような接合をしているのか、詳しく説明を営業担当者に聞いてみるべきではないでしょうか?
少しだけ事前知識としてお伝えすると、その接合部を釘やボルトなどで固定する方法を「ピン接合」溶接する方法を「剛接合」といいます。それぞれの接合方法が繰り返しの地震に強いのか、また地震の影響を受けたとき、確認する方法がないのか。補修をするとすれば、いくらくらいお金がかかるのか、事前に調べておいたほうが良いと思います。
最後まで、読んでいただきまして、ありがとうございました。また、この分野については、改めて加筆修正させていただく、または新しい記事として、もう少し詳しく書かせていただきます。皆様のお家づくりに少しでもお役に立てれば幸いです。疑問、質問なんでもぶつけていただければ、可能な限りご返信させていただきます。何卒、よろしくお願いいたします。
次回は、「良い家の条件とは??③」最後のキーワード「快適」についてお送りいたします。
コメント