皆さん、こんばんは。某大手住宅メーカーにて、20年以上、現役で住宅営業マンをしております、「くーるばなーな」と申します。長年やってますが、営業って難しいですね。人とコミュニケーションを取ることって難しい、人に伝える事って難しい、人に信頼されることって難しいですね。だからこそ、その難しい事に日々挑戦しているんだという気持ちで、毎日活動しております。
さて、住宅ローンをご提案する際に、必ず出てくるキーワード「繰り上げ返済」について、本日はお話したいと思います。
そもそも繰上げ返済とは、住宅ローンを毎月、毎月、またはボーナスにてお支払いされている金額とは別に纏まったお金を、金融機関に繰り上げて償還する事です。つまり、まだ返済期日が来ていないお金を返済する事で、本来、そのお金の上に乗っている利子の部分を返済しなくても良い仕組みとなっております。
具体的な数字で、ご説明しますと、例えば3000万円の住宅ローンを金利1%にて35年ローンをしたとします。仮に10年後に200万円の現金を繰上げ返済したとしたら、どのような効果があるのでしょうか?
繰上げ返済には、2つのパターンから方法を選ぶことが出来ます。●返済額軽減型と●期間短縮型です。それぞれの形にて、どのような効果があるのかを検証してみましょう。
まず、返済額軽減型ですが、当初、84,685円(月々、ボーナス払いはなし)だった返済額が、200万円を繰り上げることにより、77,382円(月々)▲7,223円も返済額を軽減する事が出来ます。また、住宅ローン全体の利息を271,162円減らす事が出来ました。
一方、期間短縮型ですが、こちらは、返済額の変動は起こりません。その代わり、返済期間が当初の35年の返済期間から、2年と6ケ月、期間を短縮する事ができました。ちなみに、利息の軽減額は555,923円と返済額軽減型よりも、沢山、利息を減らす事が出来ました。
このように繰上げ返済については、まとまったお金を早期に繰り上げて償還する事で、一定の効果が得られると思います。住宅ローンの返済計画によっては、繰上返済を予定されている方も多いのではないかと思います。
では、何年後にいくらくらいの繰上返済を予定しておくことが正解なのでしょうか?
答えは「わからない」が正解です。
「わからない」とは、あまりに乱暴なので、正確にお伝えしますと、「個別事情によるからわからない」が正解です。皆様の家族状況やライフプランは人それぞれですし、住宅ローンが始まる年齢も違います。また、何歳まで働くのかも違いますし、共働きかどうか、結局年収はいくらくらいなのかも千差万別でしょう。
例えば、お子さんが8歳の時に、住宅を建てて住宅ローンが始まったとしたら、10年後にお子さんは18歳です。先述の繰上返済を予定していた、200万などは、大学の入学費用に充てたい所ですね。
つまり、あくまでも、余剰資金で繰上返済をされるのならば、問題ないですが、繰上返済を優先して、手元にお金がないということは、本末転倒と言えるかと思います。
私自身の私見ですが、繰上返済は積極的に行うべきではないと考えます。その理由は、●現状では極めて住宅ローンの金利が低水準であること。●そもそも金利が低いので、利息軽減効果に思った以上の効果が得られないこと。●私自身は低金利で、35年お金を借りていられる権利を買ったと思っています。
余談ですが、1%を下回るような低利でお金を借りておいて、2%~4%の利回りが見込めるような金融商品に投資する事が出来れば、金利の利ザヤで稼ぐようなイメージも持てるのではないでしょうか?
何度も繰り返しますが、繰上返済を行うことによって、手元の現金が無くなってしまうような、バランスの悪いキャッシュフローにならないように、人生のライフプランシートの作成を是非ともお勧めしたいと思っております。
最後までお読みいただきありがとうございました。次回は、「最後の最後まで内容が決まらない、火災保険の話」をお送りいたします。
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