完成してからのトラブルの大部分、外壁について

皆さん、こんにちは。某大手住宅メーカーにて、20年以上、現役で住宅営業マンをしております、「くーるばなーな」と申します。本当に暑い日が続きますね。体調管理をしっかりと、元気に毎日過ごしましょう。

 さて、今回は、「完成してからのトラブルの大部分、外壁について」をお送りいたします。

 外壁は、住宅において大事な構造部分である上に、住宅の見た目のほとんどを構成する、大事な部材です。以前に、「保証とメンテナンス」のお話をしましたが、よく「保証」と「メンテナンス」を混同して思い込んでいらっしゃる方が多く、住宅業界においてのトラブルとなっているようです。

 まず、法律(住宅品質確保の促進等に関する法律)にて、決まっています、10年の瑕疵担保保証ですが、「構造体」「基礎」「雨仕舞」となっております。その構造体に外壁が含まれるのですが、外壁が構造上ダメになっているかどうかは、非常にわかりづらい、もっと言うと私でも、「わかりません」

 そして、瑕疵担保保証とは、ダメになっているから、元の状態に戻してねってことなんですが、「雨仕舞」はわかりやすいですね。雨漏れしたら、保証対象です。これは、非常にわかりやすいでしょう。

 それでは、外壁はどうでしょう?確かに外壁からの雨漏りという事例もあります。しかし、これは、外壁が原因なのか、屋根なのかはわかりません。ただ、外壁が「汚れてきた」「雨垂れで黒くなってきた」などは、実害がわからない。(実害はほとんどない)ので、保証の対象にならないのが、大半だと思います。

 ただ、「汚れてきた」というのも、多種多様でして、ただ単に目地の部分に埃が吸着して、黒くなっている部分もあります。やっかいな「汚れてきた」は、「水を吸うこと」です。吸水性のある外壁が水分を吸うと、外壁の内部に水が溜まります。特に冬場、内部の水分は気温の低下によって、「凍結融解」という現象を起こします。つまり、壁の内部で凍った水分が氷になることにより、1.1倍に体積が膨らみます。そして、気温の上昇によって、水分に戻ると体積も戻ります。これを繰り返すうちに、壁の内部からひび割れてくる現象を「凍結融解」と言います。

 そのために、水を吸わないように、吸水性を防ぐために、「防水塗装」いわゆる「壁の塗り替え」を行うのです。汚れてきたから、綺麗な色にしているわけではありません。

 ということで、いずれは、壁の塗り替えを行っている事がほとんどですが、この「壁の汚れ」も保証対象になっているかは、ほとんどの場合が「保証対象外」もしくは、極めて短い「2年」や「5年」程度の保証となっていることが多いです。(経年劣化まで保証できないというのが本音でしょうか?)この点において、10年、20年の保証がついていると思っているお客様と、10年ごとに壁の塗り替えリフォームを受注しようという、リフォーム業者との間にトラブルが起きるという図式です。

 コンクリート系外壁でも、サイディング系外壁でも、何十年も無塗装で長持ちすることはありません。10年に一度の外壁塗装のメンテナンス、防水塗装をして、長持ちさせるべきだと考えます。

 もしくは、そもそも将来の塗装の心配がない、「タイル外壁」などの仕様にして、将来のメンテナンス削減を意識しましょう。その場合、タイルの外壁は非常に重たいので、構造体がしっかりとしているかのチェックも必要です。

 最後までお読みいただきありがとうございました。次回は、「屋根材ってどんなものつかっているのか、知っていますか??」をお送ります。

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