図面をよむことって難しい

皆さん、こんにちは。某大手住宅メーカーにて、20年以上現役で住宅営業マンをしております、「くーるばなーな」と申します。今まで100件以上のお客さまの新築に携わった経験を元に、皆様に失敗しない家づくり、後悔しない家づくりのヒントを発信していきたいと思います。

 さて、今回は、「図面をよむことって難しい」をお送りします。

 図面とは、新しい新築住宅の間取り図面ですが、間取り図面は平面図といいまして、建物を上からみた図面で表記してあります。平面図を見ながら、打ち合わせをしたり、もう少し広くとか、家具を置いてみたり、新しい新居のイメージに照らし合わせて完成させていきます。

 私たち、営業マン、住宅に携わっている仕事をしている人たちは、毎日、図面を見ているので、慣れてしまっているのですが、一般的にお客様は、図面に慣れていらっしゃらない方が非常に多い。イメージがつかないままに工事に入ってしまい、出来上がったらこんなイメージじゃないと、なることが多いです。なぜなら、普段、打ち合わせに使っている住宅展示場は非常に大きくて、豪華だし、良いイメージのまま、こんな感じかなという思い込みですすんでいってしまい、最後に工事が完了して出来上がってみると、なにかちょっと違うとなってしますのです。

 ちゃんと平面図での寸法をはかって、実際のモデルルームもメジャーではかって、「ここからここまでですね」と、きっちりと実物の実寸で教えてもらいましょう。

 お客様が一番、引っかかるポイントは窓です。平面図には、窓の高さを表現する事が文字でされることが多いので、大きな窓なのか、腰から上の窓なのかがイメージしにくいのです。大きな窓であれば開放感がありますし、腰から上の窓であれば、窓の下が壁なので、コンセントをつけたり背の低い家具を置いたりすることが出来ます。また、地窓といって足元につく窓は床に近い場所につきますので、坪庭を効果的に見せたり、上部を吊押入れなどに利用できます。その他にも、欄窓といって和室の襖の上部の部分、欄間の位置につく窓は、天井に近い部分に取り付きます。洗面台の上に取り付けて明かり取りをしたい場合に使います。

 このように、窓は平面図では、高さがわかりにくいので、しっかりとその高さを確認して、家具のレイアウトに支障がないか、コンセントやスイッチの取付に支障がないか、自分がおもっているイメージと相違がないかを確認する事が重要です。住宅展示場などの実物で確認するのが一番間違いがないのですが、パース図面といいまして、立体におこした図面を確認するのも一つでしょう。まだ、そこまで主流にはなっておらず、現場では実用化されていないのですが、将来VRが普及すれば、映像を見るだけで確認ができる、そんな便利な未来が待っているのかもしれません。

 次に注意すべきポイントは、「壁」です。壁といっても、「間仕切り壁」といって上から下まで壁、つまり部屋と部屋を仕切る壁もあれば、「垂れ壁」といって、天井から垂れさがっている壁、例えばロールスクリーンを取付たり、収納棚を取付するのに作る場合もありますし、構造上どうしても垂れ壁で繋いであげる部分が必要という場合もあります。それと、「腰壁」といって、床から腰くらいの高さの壁、いわゆる階段の手摺壁がそれにあたります。

 壁についても、わざわざ白抜きの壁にして、色を変えてくれている場合が多いのですが、プランによっては、「間仕切り壁」でなくて「腰壁」にした方が、完成した時の解放感が違うということは、本当に良くあります。よくありがちなのは、2階のホール。階段上がりきった所を、間仕切り壁にしてしまったばかりに、階段上りきったホールの部分が圧迫感がある、などはプラン設計の際に設計士が配慮すべき内容かもしれません。

 図面をよむコツは、「高さ」を意識する事なんですが、私たち住宅業界で仕事をする人達は当たり前のように「平面図」でお話して、一般的にお客様が平面図に慣れていないことを、配慮に欠けているのかもしれません。

 私自身も、できるだけわかりやすく、パース図や実邸、実物を使いながら、間違ったイメージや誤解したイメージを持っていただかないように意識をしています。せっかくの新築住宅がイメージ通りじゃなきゃ嫌ですものね。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。次回は「営業マンと言った、言わないのトラブルになっています。どうしたら?」をお送りします。よろしくお願いいたします。

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