北側道路の土地、南側道路の土地、どっちがいいの?

 皆さん、こんばんは。某大手住宅メーカーにて、20年以上現役で住宅営業マンをしております、「くーるばなーな」と申します。これからお家づくりを始める皆様、または検討中の皆様にも少しでも気付きがあればと、日々発信させていただきます。

 さて、今回は「北側道路の土地、南側道路の土地、どっちがいいの?」をお送りいたします。

 この質問をしたときに、皆さんはどうこたえますか?「そりゃ、南側がいいに決まってるでしょ、明るいし」なのか、「北側の土地の方がちょっと安いし、安いほうがいいです。」なのか、人それぞれで違うのでしょうか。

 最近はあまり耳にしなくなりましたが、私たちの親御さん世代には、「南側土地信仰」または「角地信仰」なるものが土地選びにはありました。お若いご家族が色々考えて、綿密に計画を立てて、土地の区画も決めて、親御さんに相談に行くと、「南側」じゃないからダメと言われました。「角地」じゃないから反対されました。と、がっかりして帰ってこられます。

 特に、京都のエリアに多いのか、年貢が土地の間口によって決められてきたからなのか、鰻の寝床と言われるような、間口が狭く奥行きの長い土地に、長年お住まいの人達からは、明るさ、太陽に向かって建つ住宅に対して相当な拘りがあるようで、「南側」「角地」への強い憧れが、そのような土地選びに至るのでは、ないかと想像します。

 まず、お伝えしたいのは、それぞれにメリット、デメリットがあり、道路の方向のみでは判断する事が難しいということです。

 「南側接道土地」は、南側が道路なので、日当たりが確保しやすく、明るい設計がやりやすいというのがメリットです。また、住宅展示場も、ほとんどこの方位にて設計されており、南側に大きな窓がくる設計が多いため、家の外観、ファサードが作りやすいというのもメリットでしょうか?

 デメリットは、南側に駐車場とお庭がくるので、それぞれに混在させることが難しい。よほど大きい土地、よほど間口の広い土地でないと、駐車場と庭を兼ねるということになりそうです。また、南側は道路ですので、通行人や車が通ります。窓が大きいということは、人の視線も気になるというのもデメリットでしょう。最大のデメリットは価格が高い事です。やはり上記のような「信仰」があるがゆえに、欲しい人が多い土地として、価格が他の区画に比べて、価格が高く設定されています。不動産、土地価格の絶妙な価格設定といったところでしょうか。

 「北側接道土地」は、北側が道路なので、ゾーンの設計がしやすいです。北側には駐車場スペースとフロントガーデン(道路からアプローチ、お客様に魅せる庭です。)が家の北側に作りやすいです。また、家の裏側には、バックヤード(家族だけのプライベートなお庭)が作りやすく、日当たりも確保して、人目も気にせず、リビングからすぐ出入り出来る、お庭を造ることができるのは、メリットと言えるでしょう。また、外観が作りにくいというのは、設計力次第でなんとかなるポイントです。北側は水回りの小さな窓しか来ないというのは、固定概念で、ヨーロッパなどでは、直射日光の南側の光よりも、年中安定した北側の光を重宝する傾向にあるようですよ。

 デメリットは、先ほどのメリットの話も、土地の広さがあってこそとも言えます。十分な広さがなければ、裏庭(バックヤード)などスペースが取れないし、市街地であればあるほど、東も西も南も建物が迫っていて、お庭どころか、窓をあければすぐ隣の家という土地も少なくありません。その場合は、上から光を取り入れて、中庭に落とすとか、吹抜をつくってそこに光を落としてくるという工夫が必要かと思います。

 非常にメリット、デメリットが混在している状況ですが、接道がどちらについているかだけでなく、土地の地型(間口、奥行がどれくらいか)や、隣地の状況、お隣さんの家はどんな建物か、また今は建物がなくても将来どんな建物が建つ可能性があるのか、または道路との高低差、隣地との高低差もしっかりとチェックしておきたいポイントです。そして、土地の価格も考慮してトータルで、ご自身が選ぶ土地が間違いないかを判断する必要がありそうですね。

 勿論、土地の大きさ、価格、形、道路がどちらか、近隣の状況、だけで土地選びをするわけではないですよね。学校の事、勤務先、通勤の事。病院、スーパー、公園、市役所、などはどこにあるか、ご夫婦の実家からの距離はどうか、などエリアに関する事も検討が必要ですね。

 最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。次回は「うーん決められない、みんなどうやって土地選びをしているの?」をお送りいたします。

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